係長新任研修では、JST研修を実施してきています。当研修所では平成11年から採用していますが、平成17年度改訂され、リーダーシップをこの「ヘッドシップ」と「リーダーシップ」の二つに概念を分離しました。
「ヘッドシップ」とは、課長・係長といった制度的な権限を与えられた人間が、その与えられた権限に基づき人間支配、部下支配を行う機能であり、リーダーシップとは異なる概念と定義づけています。
一方「リーダーシップ」とは制度的な権限とは別に、組織(広くは集団)構成員からの自発的かつ積極的な受け入れがあって成り立つものと定義しています。
課長だから、係長だからリーダーシップを発揮できるものではないということになります。
JST研修では、この「リーダーシップ」の発揮の要件として次の三つを掲げています。
- (1) 目標があること
- リーダーがリーダーとして達成したい目標を明確にメンバーに提示すること
- (2) 自発的な協力であること
- 自らの目標達成のために、制度的な権限に頼ることなく、自発的な協力を得ながら、メンバーを動かしていくのがリーダーシップです。
- (3) 目標に対する協力であること
- 協力の対象は目標です。リーダー個人に対するものではなく、リーダーが提示した目標をメンバーが納得して受け入れ、自ら進んで協力するときにはじめてリーダーシップが発揮されるといえます。
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360度のリーダーシップ |
リーダーシップは上司、部下関係における上方から下方への作用と捉えられがちですが、ヘッドシップと異なり、下方から上方へ、あるいは横の方向へも発揮されるものです。 自らの目標のために上司を説得するのもリーダーシップといえるものです。
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リーダーシップとヘッドシップの生かし方 |
制度的な権限に基づくヘッドシップは日常的なマネージメントでは十分発揮されなければなりませんが、時として一方的なものなり、効果が発揮できないときもあるでしょう。ヘッドシップによる仕事の指示命令を出すにしても、メンバーへの仕事の背景や意義を十分に説明し、メンバーの十分な納得を得ることがヘッドシップを効果的なものにするのに大事なところです。
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改革のためのリーダーシップ |
仕事の変化、住民ニーズの変化に伴い改革を求められている現在、権限に頼るヘッドシップのみでは改革は実現できるものではありません。改革の理念・目標の実現に協力をとりつけるということがどうしても必要になります。リーダーシップのないところに改革は実現しないともいえるでしょう。
リーダーシップのスタイル
(1) 指示型・・リーダーが自分に権限を集中させて、メンバーに指示をして仕事をさせる。
(2) 参加型・・リーダーが仕事の遂行についてメンバーに確認し、参加させて仕事をさせる。
(3) 委任型・・リーダーがメンバーに権限を委譲して、メンバーの判断で仕事をさせる
自分がどの型のリーダーシップスタイルかのチェック項目も実施しています。
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状況に応じたリーダーシップ |
この三つの類型はどれが良くてどれが悪いというものではありません。
リーダーシップを発揮するときの状況によります。
(1) メンバーの「職務遂行能力」と「意欲」のレベルとの関係
〇共にまだ低いとき・・・・・・・・指示型が効果的
〇共に、やや高まってきたとき・・・参加型が効果的
〇共に、かなり高まってきたとき・・委任型が効果的
(2) 仕事の内容、リーダーとメンバーの状況との関係
〇緊急事態が発生し、一刻を争うとき・・指示型が効果的
〇リーダーが異動したてのとき・・・・・参加型が効果的
〇メンバーを育成するとき・・・・・・・委任型が効果的
リーダーはこの三つの類型を、様々な状況に応じて自在に使い分けられるようになることが望ましいといえます。
係長新任研修では、以上のような研修を実施しています。JST研修は「会議式」といって、講師(指導者)の問いかけに答える手法で、研修は進んでいきます。
係長のみならず、課長補佐や、課長にも組織にいる限り活用できるスキルと思います。
実際は、形式参加型、実質指示型のリーダーシップであったり、ヘッドシップのみのスタイルであったりしがちなのが実際ではないでしょうか。チーム全体の力を上げることがリーダーの役割とするならば、今一度自らのリーダーシップスタイルを振り返るのも必要なのかもしれません。 |