ホーム > 研修紹介 > 令和6年度 研修概要と実績 > 立法法務 研修概要
自治体経営研修
立法法務
目標 ・研修テーマとして設定された、自治体が直面している重要な政策課題に関する知識やその課題解決のための政策形成と条例作成に関する知識の習得を図る。
・各種情報の収集、活用を行い、地域や組織に潜在する課題を発見し、条例により解決手段を具体化する能力の向上を図る。
・長期間に及ぶ他団体職員との交流により、人的ネットワークの形成と、危機意識や改革意識の醸成を図る。
対象 原則として在職5年以上の職員
研修日程 8/ 6(火)、 8/23(金)、 9/11(水)、10/10(木)、 日数 7日
11/12(火)、12/ 5(木)、12/20(金) 時間 45:30
実施科目 科 目 名 時間数 科 目 内 容 方  法
調査・研究 45:30 ・自治体の現状と課題
・政策法務論
・グループによる調査、研究、条例作成、報告書作成
講  義
討  議
講師 研修所講師
テーマ 地域交通について考える
テーマ趣旨
 地域交通は、公共交通のサービスレベルが低い地域などにおいて、通勤、通学、通院、買い物など住民が地域において生活する上で重要な移動手段であり、特に自ら運転のできない学生・生徒、高齢者、障害者、妊婦等にとっては必要不可欠な存在であり、住民の日常生活のために運行する、既存の公共交通を補完する交通手段である。
 地域交通は、地域の発展に欠かせない重要な役割を担っている。地域交通が円滑に運営されることで、地域住民の生活が豊かになり、地域経済の発展にもつながることになる。
 しかし、地域交通には課題もある。例えば、人口減少や高齢化による交通需要の変化、路線バス事業の輸送人員の減少、自動車運転事業の人手不足など、運行が継続できなくなることがある。また、地域交通の運行時間や路線が限られている場合、地域住民の生活に支障をきたすことがある。
 そのため、地域交通の持続可能性を高めるためには、何らかの取組みが必要である。
 これまで、自治体では、 コミュニティバスやデマンド型交通等の導入や交通事業者への財政支援を行うことで、いわゆる交通弱者の支援や公共交通の活性化・再生に取り組んできた。しかし、今後の超高齢・人口減少社会では、従来の交通政策に加え、まちづくりと一体になった公共政策が必要とされている。
 国においては、平成25年12月に「交通政策基本法」を制定し、日常生活等に必要不可欠な交通手段の確保、まちづくりの観点からの交通施策の促進、国・自治体・交通事業者等の関係者相互間の連携と協働の促進等についての方向性を示した。さらに、平成26年11月には、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律」を施行し、自治体が中心となり、まちづくりと連携して交通ネットワークの再構築を図ることにした。「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」は、令和2年11月及び令和5年10月にも一部改正法が施行され、更なる拡充を図ることとされた。
 これらを背景に、自治体では、地域公共交通における自治体の役割、まちづくりと交通政策の連携、交通事業者・住民との関係性、交通ネットワークの再構築の方向性など多岐にわたる項目を、具体的に検討していかなければならない。
そこで、本研修では、地域交通について、各自治体の先進事例等を参考に様々な視点から考察し、効果的な施策を検討して条例づくりに取り組んでいく。
参加した研修生の声
【令和5年度の研修テーマ】
食品ロス削減に向けた取組を考える
【本科生の声】
・普段関わることのない他自治体の同年代の職員と研修を共にしたことで、自分に足りないもの、得意なこと等を気づくことができ、今後の目標設定等に役立てたいと感じた。
・条例に関する捉え方が変わった。何を目的にしているのか、考えるようになった。
・条例案の校正いただいたコメントは非常に参考になった。自分自身もそういう指摘ができるように知識を身につけていきたい。
・発表直前あたりのスケジュールがキツく感じた。
研修所メッセージ
・設定されたテーマに対して、全7回にわたってグループで調査、研究を行い、1つの条例を作成するゼミナール型の研修です。
・主な研修の流れとしては、自治体の置かれている現状と抱えている政策課題を分析し、そこから具体的な政策を考え、課題解決の手段としての条例を作成します。
・条例作成の過程では、立法目的、立法事実を明確にした上で条例の内容検討へと進み、講師から整合性、適法性等の法制面の確認を受けて、条文を作り上げていきます。
・各部署において条例制定が必要になった際に求められる「政策形成能力」及び「立法能力」の向上のほか、「他団体の研修生との強い絆」など日常業務だけでは経験できない貴重なものを得ることができます。
・条例の作成や改正、審査等において必要となる法制執務の基礎的知識を習得する内容については、「例規作成実務科」で学ぶことができます。